カルダノ (ブロックチェーン)

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カルダノ
Original authorsCharles Hoskinson, Jeremy Wood
DevelopersIOHK
LicenseMIT
WebsiteLua エラー: 内部エラー: インタープリターは終了コード 127 で終了しました。

カルダノ: Cardano)は、カルダノ財団[1]・IOHK[2]により開発が進められている、ブロックチェーンのオープンソース・ソフトウェア・プロジェクトである。 同プロジェクトによる、分散アプリケーション (DApps) やスマート・コントラクトを構築するためのプラットフォームの名称でもある。 ADAまたはADAコイン・エイダコインと呼ばれる暗号通貨がカルダノブロックチェーン上で取引されている。

思想[編集]

カルダノは「30億人の財布」を作ることを目標に掲げている。30億人とは国家によって身分が保証されていない人々の数であり、彼らは銀行口座も持つことができない。そのような人々が自分の資産を守り、貯蓄する事ができるようにするということが、「30億人の財布」の意味するところである。しかしながら、目的の達成にはカルダノの幅広い普及が必要となる。その手段として目をつけたのは「ゲーム」である。カルダノ上でゲームがプレイできるようにして、その専用通貨ADAをゲームの参加者間でやり取りされるカジノのチップのような位置づけに置くことで、その普及を目指した。これはブロックチェーンによる真に公平なオンラインカジノを実現可能な次世代ゲーミングプラットフォームを構築するという計画であったが、後により汎用的なプラットフォームの開発へと計画がシフトされる。 専用通貨ADAも現在は通貨として幅広く使用されることを目指している。汎用プラットフォームへの計画移行に際して、ゲームと言う概念が失われたわけではない。プラットフォーム上のアプリケーションの1つのジャンルとして、ゲームを開発することができる。

カルダノの技術的目標は、ビットコインなどを第1世代、イーサリアムなどを第2世代と位置づけ、第3世代の暗号通貨を作り出すことにある。第1世代の通貨とは、暗号通貨の黎明期を担う世代であり、暗号通貨の定義を作り出した初期の通貨のことである。第2世代の通貨とは、暗号通貨の貨幣としての機能にスマートコントラクトなどの付加価値を与えた通貨のことである。カルダノの目指す第3世代とは、それまでの多くの実験的通貨から得られた知見を整理し発展させることで得られる、スケーラビリティ相互運用性持続可能性に優れた通貨である。

設計[編集]

カルダノは、ビットコインイーサリアムなどの暗号通貨が抱えている問題を解決した暗号通貨を作り上げるべく発足したプロジェクトである。暗号通貨の多くは実験的側面が強く、運用を開始してからその問題が発覚することも少なくない。(実際、ビットコインスケーラビリティの問題に直面し、ハードフォークに至っている。)カルダノはそういった問題の発生を防ぐべく、学術的な論文をベースとした開発を行っている。設計にあたりまずは論文が作成される。作成された論文は査読を受け学会で発表される。これによりカルダノの設計は多くの学者たちによるレビューやフィードバックを受けて改善され、最終的には学術的に正しく安全な設計であることが保証される。

歴史[編集]

日付 出来事
2015年2月10日 カルダノ財団が設立される。
2015年6月1日 IOHKが設立される。
2016年9月13日 カルダノ財団が法人化。
2016年9月25日 カルダノの開発が開始。
2017年3月1日 テストネット0.3が稼働開始。
2017年7月7日 テストネット0.5が稼働開始。
2017年9月29日 Byron がリリースされる。メインネットが稼働開始。
2017年10月2日 専用通貨ADAが暗号通貨取引所Bittrex[3]に上場する。
2017年10月14日 東京にて、稼働開始を記念するイベント「CARDANO LAUNCH Event」が開催される。
2017年11月1日 ロードマップ[4]が公開される。
2017年11月7日 スペインバルセロナのホテル「Hotel Ginebra Barcelona」[5]がADA決済の導入を発表。世界初のADA決済事例となる。
2017年11月20日 韓国の暗号通貨取引所UPbit[6]にて、韓国ウォンでの取引が開始。ADA初のフィアットマーケットとなる。
2017年12月20日 ギリシャのギリシャの国立研究ネットワークGRNET[7]が、大学の学位の証明にCardano Enterpriseを採用することを発表。Cardano Enterprise初のユースケースとなる。
2017年12月23日 大阪の料理店「ふくろうのすばこ」[8]にて、世界初のカルダノ財団立会いによるADA決済が行われる。その様子はFacebookにて動画配信された。
2018年第二四半期 Shelly がリリースされる(予定)。

バージョン[編集]

Byron[編集]

最初のバージョン。 2017年9月29日にリリース。 Cardano SLがリリースされ、専用通貨ADAの取引が可能となる。このバージョンではステーキングは無効化されており、報酬は与えられない。

Shelly[編集]

非中央集権化に着目したアップデート。 2018年第二四半期にリリース予定。 このバージョン以降ではステーキングが開放され、報酬が与えられるようになる。

ロードマップ[4]によると、アップデートには下記の機能の向上が含まれている。

  • ウロボロスのオープンな委任機能を導入
  • マルチシグのトランザクション
  • ウォレットバックエンド
  • コンセンサスのインセンティブと手数料
  • 耐量子コンピューター電子署名方式
  • ライトクライアントの対応
  • 可読性の高いアドレス
  • ネットワーク
  • 投票センター
  • ペーパーウォレット
  • リリース戦略

Goguen[編集]

スマートコントラクト機能の統合に着目したアップデート。

Backus[編集]

スマートコントラクト機能の統合に着目したアップデート。Goguenの追加リリースである。

Basho[編集]

パフォーマンス向上に着目したアップデート。

Voltaire[編集]

拡張性及び保証性に着目したアップデート。

ADA[編集]

Lua エラー: 内部エラー: インタープリターは終了コード 127 で終了しました。 カルダノでは、専用通貨「ADA」(エイダ)が規定されている。

下記の暗号通貨取引所にて、取引が可能である。

名称 通貨ペア(暗号通貨) 通貨ペア(法定通貨)
Bittrex[3] BTC ETH USDT - アメリカ合衆国
Binance[9] BTC ETH - 香港
UPbit[6] BTC KRW 大韓民国
Coinnest[10] - KRW 大韓民国
HitBTC[11] BTC ETH USDT - イギリス
Bitt[12](予定) - - バルバドス
Cryptopia[13](予定) - - ニュージーランド

以下は公式アナウンスがされていない取引所であり、利用する場合は注意が必要である。

名称 通貨ペア(暗号通貨) 通貨ペア(法定通貨)
CoinSpot[14] - AUD オーストラリア
gate.io[15] BTC USDT -
AbuCoins[16] BTC - ポーランド

ウロボロス (Ouroboros)[編集]

カルダノでは、ウロボロス (Ouroboros)と呼ばれるProof of Stakeアルゴリズムが使用されている。

ウロボロスの実装は、Aggelos Kiayiasらの論文「Ouroboros: A Provably Secure Proof-of-Stake Blockchain Protocol」[17]に基づいている。「Provably Secure」は「証明可能安全性」という意味の「Provable security」に由来しており「Probably Secure」(恐らく安全)という語句とは異なる。

実用化[編集]

  • GRNET[7] - 大学の学位の証明にCardano Enterpriseを採用。
  • Traxia Foundation[18] - 2018年3月1日現在、Pre-sale中の貿易金融ソリューションを目的としたICO。エマーゴ(下記用語参照)を通じてカルダノから出資を受けており、EthereumからCardanoへのブロックチェーンの移行の最初のユースケースとなる予定である。

用語[編集]

ADA (エイダ)
カルダノのブロックチェーン上で取引される通貨。名称は19世紀のイギリスの貴族の女性エイダ・ラブレスに由来する。
Backus (バッカス)
カルダノの5番目のメジャーリリースの名称。
Basho (バショー)
カルダノの4番目のメジャーリリースの名称。名称は江戸時代前期の俳諧師、松尾芭蕉に由来する。
Byron (バイロン)
カルダノの最初のメジャーリリースの名称。2017年9月29日に、メインネットの稼働開始と共にリリースされた。名称はエイダ・ラブレスの父、ジョージ・ゴードン・バイロンに由来する。
Cardano CL - Cardano Computing Layer
機能別に分けられたカルダノの層のうち、スマートコントラクトに関わる層。Cardanoサイドチェーン上に構築される。
Cardano SL - Cardano Settlement Layer
機能別に分けられたカルダノの層のうち、決済に関わる層。Cardanoメインチェーン上に構築されている。専用通貨ADAが取引されている。
CFJP - Cardano Foundation JP
カルダノ財団の日本法人。
Goguen (ゴーグエン)
カルダノの3番目のメジャーリリースの名称。名称はアメリカの計算機科学者、ジョセフ・ゴーグエンに由来する。
IELE
カルダノ上で動作する仮想マシン。ブロックチェーンによる分散アプリケーション(DApps)を実現する。「K Framework」[19]と呼ばれる技術により、C・Java・JavaScript・Solidity・Plutusなど、あらゆるプログラミング言語によるスマートコントラクトのコーディングを可能とする。プレスリリース[20]によると、NASA・DARPA・Microsoft・ボーイング・トヨタなどが出資するミッションクリティカルなソフトウェアの開発における技術を用いることで、企業・政府が実用化するのに十分なレベルを達成することを目標としている。
IOHK - INPUT OUTPUT Hong Kong
カルダノの設計・開発を担う研究開発企業。Charles HoskinsonとJeremy Woodによって設立された。企業のスローガンは「Cascading disruption」(連鎖的な波及効果)。カルダノの他に、イーサリアム・クラシックなどの開発も行っている。
IOJP - INPUT OUTPUT JP
INPUT OUTPUTの日本法人。大阪にオフィスを置く。
Kaleidoscope
オンラインで公平なポーカーを行うためのプロトコル。次期バージョンでは、ポーカー以外のカードゲームにも対応する予定である。
KMZサイドチェーン
Cardanoのサイドチェーン技術。開発者のKiayias氏・Miller氏・Zindros氏のイニシャルから名付けれられた。
Lovelace (ラブレス)
ADAを小数点で表した際の最小単位。1Lovelaceは0.000001ADAであり、1ADAは1,000,000Lovelace。
Plutus
カルダノでスマートコントラクトを記述するためのプログラミング言語強い型付けを持つ関数型言語である。
Shelley (シェリー)
カルダノの2番目のメジャーリリースの名称。名称はイングランドのロマン派詩人、パーシー・ビッシュ・シェリーに由来する。
SCRAPE
ウロボロスで用いられる乱数生成アルゴリズムスケーラビリティに優れている。
Voltaire (ヴォルテール)
カルダノの6番目のメジャーリリースの名称。名称はフランスの哲学者、ヴォルテールに由来する。
アテインコーポレーション (Attain Corporation)
ADAコインの日本国内の販売店。ADAコインプレセール終了後に解散済み。
ウロボロス (Ouroboros)
カルダノのProof of Stakeアルゴリズム。
ウロボロス プラオス (Ouroboros Praos)
ウロボロスを改善したアルゴリズム。Praos とは「落ち着いている」・「穏やかである」という意味である。
エポック (Epoch)
カルダノブロックチェーンの時間の単位。エポックは複数のスロットから成る。
エマーゴ (EMURGO)
カルダノのブロックチェーン技術の推進を担うブロックチェーンコンサルティング企業。東京にオフィスを置く。代表は児玉 健。技術教育やベンチャーキャピタルなど、ブロックチェーン技術を利用したい企業を全面的に支援する。名称は「出現する」という意味のラテン語「Emergo」に由来する。前身は、カルダノプラットフォーム上でゲームを提供する予定であったCARDANO GAMING GROUP。
カルダノ財団 (Cardano Foundation)
カルダノの統括を担う財団法人。会長はMichael Parsons。スイスツークに本拠地を置く。
カルダノラボ (CARDANO Labo/Cardano Lab.)
カルダノ上で分散アプリケーションを開発する予定であったベトナムのスタートアップ企業。リブランディング後の名称は「Cardano Lab.」。その後、アプリケーション開発にカルダノ(ウロボロス)以外のプロトコルを採用するにあたり「Infinity Blockchain Labs.」へと名称が変更され、現在はカルダノのプロジェクトを離れている。
カルダノリカバリー
ADAコインのプレセール購入者に対してサポートなどを行う団体。
還元
「証明書」として発行されたIOUをADAコインと交換する作業。ダイダロスにて行うことができる。
証明書
ダイダロスにてADAコインと交換可能なIOU。現在、証明書はプレセールにて発行されたもののみが存在しており、今のところはそれ以外の発行予定はない。
スロット (Slot)
カルダノブロックチェーンの時間の単位。エポックを更に分けたもの。
スロットリーダー (Slot Leader)
当該スロットにおいて、ブロックを生成する権利を得たノード。PoSの報酬を受け取ることができる。
ダイダロス (Daedalus)
IOHKが開発する、暗号通貨のウォレットアプリケーション。ADAに対応し、BTC・ETCにも対応予定である。今後、カルダノ上で動作する分散アプリケーションにアクセス可能なアプリケーションプラットフォームへと拡張される予定である。
テストネット時代 (Testnet Era)
Cardano SLの3つの時代のうち、最初の時代。この時代に取引される通貨は価値を持たない。メインネットの公開によって終了した。
投票センター (Voting Centre)
プロトコルに変更が加えられる際、その意見を通貨の保有者に問うシステム。保有者は保有量によって投票券を得る。暗号通貨における分裂問題を民主主義的に解決する仕組みである。
ブートストラップ時代 (Bootstrap Era)
Cardano SLの3つの時代のうち、2番目の時代。この時代からは取引される通貨が価値を持つようになる。メインネットの公開と共に開始した。
報酬時代 (Reward Era)
Cardano SLの3つの時代のうち、最後の時代。この時代からはステーキングが可能になる。Shelleyのリリースによって開始する予定である。
層 (Layer)
カルダノの持つ機能をその特性ごとに分けたもの。層状に機能を分けることはTCP/IPから着想を得たものである。

脚注[編集]

外部リンク[編集]